螺鈿(らでん)・青貝細工
長崎の螺鈿細工は別に長崎青貝細工とも呼ばれ、真珠光沢を持つアワビ、ヤコウガイ、チョウガイなどを薄く研ぎだし貝殻を文様に切って裏面に線描きや彩色を施すなどした後に、錆仕上げの漆器の上に膠(にかわ)で貼り付け漆で塗り込め、何層にも上塗を行った後、木炭などで一面を研ぎ出して磨き仕上げる。一般に薄貝を用いたものを青貝といい、厚貝を用いたものを螺鈿という。
(貝殻の内側の七色に輝く真珠層を磨いて使うので、内側を使う場合と外側の皮を研ぎだして使う場合がある。)
この技術は17世紀前半期に中国から伝えられ、その技術を受け継いだ者に長崎の漆工生島藤七や長兵衛の名が古書に挙げられている。しかしこれらの製品が長崎で多量に製作されるようになったのは、詳細には分からないが1720年(享保5)に書かれた『長崎夜話草』で、塗物道具のなかに「青貝」の文字があることからすると、18世紀前半期にはすでに広く製作されていたことを知ることができる。
文様の作り方:小刀や針先で切り抜く方法、模様の形に作った鏨(たがね)で打ち抜く方法、および稀塩酸を塗って模様以外の部分を腐蝕させる方法があります。
厚 貝:螺鈿細工に用いる貝で、その厚さは百枚重ねた厚さが4寸(132mm)程度です。
薄 貝:青貝細工に用いる貝で、その厚さは百枚重ねた厚さが二分五厘(8.25mm)程度です。一枚あたりの厚さは(0.08mm)程度である。
錆:砥の粉(とのこ)を水で練って粘土状にしたものを、生漆に混合させたもので、単に錆ともいいます。これを下地に用いたものを錆地といい、これで描いた絵を錆絵といいます。
posted by 太鼓山 at 08:24| 長崎 ☁|
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